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— 【ドラえもん公式】ドラえもんチャンネル (@doraemonChannel) February 25, 2022
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この記事の目次
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映画「ドラえもんのび太の新恐竜」のあらすじ・ネタバレ
のび太が恐竜博の化石発掘体験で見つけた1つの化石。
恐竜のたまごと信じたのび太が“タイムふろしき”で化石を元の状態に戻すと…生まれたのは双子の恐竜だった!のび太に似てちょっと頼りないキューと、おてんばなミュー。親のように愛情たっぷりに育てるのび太だったが、やがて2匹が現代で生きていくには限界がきてしまう。
元の時代に返すことを決心したのび太は、ドラえもんたちと6600万年前へと出発!
ドラえもん:水田わさび
のび太:大原めぐみ
しずか:かかずゆみ
ジャイアン:木村昴
スネ夫:関智一
キュー:遠藤綾
ミュー:釘宮理恵
恐竜博士:小野大輔
ジル:木村拓哉
ナタリー:渡辺直美
映画「ドラえもんのび太の新恐竜」のネタバレ
スネ夫たちと恐竜展を訪れたのび太は、化石発掘体験で恐竜の卵の化石を見つけた。「タイムふろしき」をかぶせると、生まれてきたのは双子の羽毛恐竜。それも「宇宙完全大百科」に載っていない新種(新恐竜)でだった。のび太は双子の恐竜に「キュー」と「ミュー」と名付け、時には恐竜博士のアドバイスを受けつつ、ノビサウルスランド(「飼育用ジオラマセット」)の中でドラえもんと一緒に育てていく。すくすくと成長する二匹は徐々に違いを見せ、軽やかに滑空するミューに対しキューは無様にばたついてしまうため、飛ぶことが出来なかった。そしていよいよジャイアンたちの前でお披露目する日がやってくる。しかし騒ぎに気付いたママから隠そうと「空間移動クレヨン」を使ったことで町の住民たちに目撃されてしまい、キューとミューを現代で育てていくことに限界が来てしまう。仲間の元へ返すことに一度は葛藤するのび太だったが、やがて決意を固めると、翌朝にしずか、スネ夫、ジャイアンを連れて「タイムマシン」に乗り込んだ。
「タイムふろしき」で化石が卵へ戻った時間から逆算し、後期白亜紀へ向かっていた。誤ってジュラ紀に着いてしまうというトラブルがありつつもなんとか目的の時代へ到着し、「たまご探検隊」などのひみつ道具を使いながらキューとミューの仲間の行方を追跡する。その様子を白い猿の姿をした男・ジルが、ナタリーという謎めいた女と通信しながら密かに監視していた。見張られていることも知らずキューとミューの仲間を探す一行は、旅の途中「ともチョコ」でゴルやトップといった恐竜たちを仲間に加えながらついに海まで到達する。二手に分かれて行動するもジャイアンとスネ夫はジルに捕えられ、ドラえもんたちも巨大な翼竜に強襲されるという危機に陥る。海に落下するのび太とキューだったが、不思議なフタバスズキリュウに助けられ謎の島にたどり着き、ドラえもん・しずか・ミューとも再会を果たす。そこは一行が探していたキューとミューの仲間たち、新恐竜が生息する島だった。さっそくのび太は仲間の元へ二匹を返そうとするが、キューは群れのオスに頬を鋭く引っ掻かれ、仲閒入りを拒絶される。キューは体力が劣っているせいか、他の新恐竜と違って飛べなかった。悔しさと悲しみに震えるのび太は、キューを立派に飛べるようにしてみせると宣言する。
一方、潜水艇で島に向かうジルはナタリーからディープインパクトが迫っていることを告げられていた。檻から脱出し様子をうかがっていたジャイアンとスネ夫は、地図を見て謎の島の真相に気付く。その頃、飛ぶための練習を始めていたのび太とキューの間には心のすれ違いが起きてしまい、練習が中断してしまっていた。俯くのび太はしずかに励まされ「たずね人ステッキ」でキューを探すと、そこには一匹で練習を続けるキューの姿があった。心を打たれたのび太も苦手な逆上がりが出来るようになろうと共に練習を始める。その時、空を光り輝く巨大な物体が流れる。
ジャイアンとスネ夫も駆けつけ、全員揃ったところでドラえもんはここが六千六百万年前、メキシコのユカタン半島に隕石が衝突したことで恐竜たちが絶滅した時代だと告げる。隕石を宇宙に返すため「逆時計」を使おうとするのび太だったが、そこへ「タイムスキッパー」が出現し、ナタリーが一行の行動を制止させる。ジルは自分たちがタイムパトロールとしてこの時代を監視していたことを明かし、恐竜を想うのび太の心に寄り添うも、歴史は変えられないと断言する。それでもなおキューとミューたちを助けたいあまり強行しようとしたのび太は隊員達に拘束され、庇おうとするドラえもんたちまでもが連行されそうになってしまう。しかしジルが「チェックカード」をのび太とキューにかざすとカードが発光。ジルたちタイムパトロールは彼らの行動に干渉しないことを決める。
タイムパトロールの拘束からは脱したものの、キューとミューや他の恐竜たちを助ける手立てに悩むドラえもん。しかしジャイアンとスネ夫がもたらした情報により、新恐竜の島がジュラ紀で落としたノビサウルスランド(「飼育用ジオラマセット」)と判明した。「空間移動クレヨン」で恐竜たちをノビサウルスランドに移動させ、ジオラマの「天候調節機能」で隕石衝突の熱風から守る救出作戦を開始する。熱風到達のタイムリミットが迫る中、島に残って準備するのび太とドラえもんに再び巨大翼竜が襲いかかる。囮になったのび太を助けるため、ついにキューが空を飛んだ。キューが飛ぼうとして見せていた無様な動作は羽ばたきの兆候だったのだ。滑空から羽ばたきへ、恐竜から鳥へ進化した第一歩、歴史が生まれる瞬間をジルたちは目撃し驚愕する。恐竜たちは救出されて島に住み着くことになり、のび太たちもキューとミューに別れを告げた。そんな一行の姿にジルは翼を進化させた恐竜のように他者を思いやる心、豊かな感情を進化させてきた人間を重ね合わせる。そして、現代に帰還したのび太は出来なかった逆上がりに挑戦し、ようやく成功させるのだった。そこへ、キューとミューらしき鳥が滑空していた。
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映画「ドラえもんのび太の新恐竜」の主なゲストキャラクター
キュー
声:遠藤綾
のび太が入手した卵から生まれた緑色のオスの羽毛恐竜。背中にスペードに似た模様がある。生まれつき双子のきょうだいであるミューに比べて小柄な体格で、尻尾と羽も短い。誕生当初は食事もまともに摂れないほど体機能が低く、成長してからも滑空飛行ができず、羽ばたくような動作を繰り返していた。しかし物語の終盤、滑空ではなく羽ばたきによる飛行を会得する。
ミュー
声:釘宮理恵
キューと同じ卵から生まれたピンク色のメスの羽毛恐竜。背中にハートに似た模様がある。のび太が与えた餌を率先して食べるほか、ひみつ道具の「たまご探検隊」を食べようとして止められるなど食いしん坊な部分が度々描写されている。
ゴル
声:間宮康弘
ジャイアンがひみつ道具「ともチョコ」で友達になったタルボサウルス。映画パンフレットでは「ティラノサウルスの仲間」と「タルボサウルス」の両方が表記されており、映画版・映画ストーリー(漫画)版・小説版・ゲーム版ではティラノサウルスと表記されている。
トップ
声:下和田ヒロキ
スネ夫が「ともチョコ」で友達になったシノケラトプス。映画パンフレットでは「トリケラトプスの仲間」と「シノケラトプス」の両方が表記されている。小説版ではトリケラトプスと表記されている。ゲームではのび太がトリケラトプスと勘違いするが、「角が一本だからその仲間」とドラえもんが補足する形となっている。
新恐竜
キューとミューの仲間。白亜紀のある場所で群れで暮らしている。ミューのことはすぐに仲間として受け入れたが、飛べないキューは仲間として認めず攻撃を仕掛けた。
恐竜博士
声:小野大輔
冒頭でのび太たちが訪れた博物館の学芸員。キューとミューを育てるための知識を求めるのび太に専門家の立場からアドバイスした。
ジル
声:木村拓哉
白亜紀にはまだ存在しないはずの猿のような姿に扮している謎の男。その正体は、タイムパトロールの隊員であり、歴史が変わらないよう駐在しながら白亜紀の日本を監視していた。恐竜学者でもあり、任務の傍ら新恐竜の研究をしている。所持する「チェックカード」がのび太とキューに反応すると、以降のドラえもんたちの行動には干渉せず見守る立場をとった。裏設定では恐竜博士の子孫とされている。
ナタリー
声:渡辺直美
ジルと通信した上で、同じくのび太たちの行動を監視する謎の女。その正体は、タイムパトロールの長官であり、恐竜絶滅の歴史を変えようとするのび太たちの前に現れ、警告を無視しようとするのび太の拘束を隊員たちに命じた。「チェックカード」反応後はのび太の拘束を解き、ドラえもんたちの行動を「タイムスキッパー」からジルや隊員たちと共に監視するが、のび太が巨大翼竜から落下しそうになった際は介入を試みようとする。
巨大翼竜
本作の悪役。最初は逃げ惑うプテラノドンたちの上空にシルエットのみで登場し、岸壁にやってきたドラえもんたちが巨大な足跡を見つけた直後、ついに姿を現しキューに襲いかかる。新恐竜の島にもやって来て巣を襲撃し、キューを執拗に付け狙う。
フタバスズキリュウ
声:神木隆之介
群れの中にいた成体の一匹が溺れかけたのび太とキューを助ける。気を失っていたのび太が見た夢の中では、『のび太の恐竜2006』に登場したピー助が幼体の姿で現れ、声を発した。
漫画版では、博物館に飾られているフタバスズキリュウの標本を見て、のび太がピー助のことを思い出すシーンが描写されている。
たまご探検隊
声:悠木碧(隊長)
キューやミューの仲間の恐竜探しに協力する卵型のメカたち。
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「ドラえもん」について
「ドラえもん」は、藤子・F・不二雄による日本の児童向けSF漫画。1969年から小学館の雑誌で連載された。日本では国民的な知名度があり、登場キャラクターや登場アイテム(ひみつ道具)など、その世界観が一般社会に広く浸透している。海外でも、東アジア、東南アジアを中心に高い人気を誇る。
22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット・ドラえもんと、勉強もスポーツも苦手な小学生・野比のび太が繰り広げる日常生活を描いた作品である。基本的には一話完結型の連載漫画だが、ストーリー漫画形式となって日常を離れた冒険をする「大長編」シリーズもある。一話完結の基本的なプロットは、「ドラえもんがポケットから出す多種多様なひみつ道具(現代の技術では実現不可能な機能を持つ)で、のび太(以外の場合もある)の身にふりかかった災難を一時的に解決するが、道具を不適切に使い続けた結果、しっぺ返しを受ける」というものが多く、前作の「ウメ星デンカ」のストーリー構図をほぼそのまま踏襲しており実質的な後継作品ともいえる。このプロットは、作者の藤子・F・不二雄が自身のSF作品で描いた独自定義「すこし・不思議」(Sukoshi Fushigi)という作風に由来し、当時の一般SF作品の唱える「if」(もしも) についての対象を想定した回答が反映されている。
あらすじ
のび太がお正月をのんびりと過ごしていると、突然、どこからともなく彼の未来を告げる声が聞こえ、机の引出しの中からドラえもんと、のび太の孫の孫のセワシが現れた。セワシ曰く、のび太は社会に出た後も沢山の不運に見舞われ、会社の倒産が原因で残った莫大な借金によって子孫を困らせているという。そんな悲惨な未来を変えるために、ドラえもんを子守用ロボットとしてのび太のもとへ連れてきたのだった。
ドラえもんは、おなかの四次元ポケットから取り出す多種多様な「ひみつ道具」を使って、のび太の身にふりかかった災難を一時的に解決するが、道具を不適切に使い続けた結果、最後にはしっぺ返しを受ける。同級生の源静香(しずか)、剛田武(ジャイアン)、骨川スネ夫も交えた日常の中で、ドラえもんたちの日常は続いていく。
物語の変化
本作の連載開始当初は、ドラえもんが騒動を巻き起こすギャグ漫画としての特色が強く、ストーリー性の強い作品は見られなかった。『コロコロコミック』掲載時などでは、柱の煽り文句は「日本一のギャグまんが ドラえもん」となっていた。
読者層(掲載各誌)が小学校在学の児童全学年と広範囲に展開されているため、読者の年齢差を意識して、作品内容を描き分けて連載されていた。低学年対象は平易なセリフでひみつ道具の楽しさが描かれ、中学年対象はのび太の成長などのストーリー性が強くなり、高学年対象は社会問題を扱うなど複雑な内容も増えている。また絵柄も描き分けられており、低学年向けの話ではキャラクターの頭身が小さく容姿が幼いが、高学年向けになるほど頭身が大きくなり容姿がやや大人びている。
小学館ドラえもんルームは、ドラえもんとのび太の関係が、連載が進む中で変化していると著書に記している。ドラえもんは役目を終えて未来に帰ったことがあり、その一件により「世話係と世話をされる者」といった関係は終わり、以降は「一緒にいたいからいる」という関係に変化しているという。
作品の来歴
1969年より、小学館の学年誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』)にて連載開始した。いずれも1970年1月号で、当時の作者名義は「藤子不二雄」。1話ごとに完結する短編として執筆。タイトルロゴは『オバケのQ太郎』のロゴも手掛けた赤松育延によるもので、ドラえもんの手足をイメージしている。1974年3月に、原作の漫画連載も最終回として「さようなら、ドラえもん」が描かれたが、作者が思い直し、翌月「帰ってきたドラえもん」によって連載は継続される。原作の単行本は1974年8月から刊行開始され、第1巻はレーベル『てんとう虫コミックス』の第1号作品となっている。
藤子・F・不二雄が執筆した作品は全1345話(短編・中編・長編)。ただしその一部は、執筆当時のチーフアシスタントであるたかや健二による執筆となっている。
1987年以降は作者の体調面の問題もあり、レギュラー短編の新規執筆は徐々に縮小し、1991年をもって全て終了した。大長編(後述)を除く、作者本人の手による最後の作品は、1994年に発表された全3回の集中連載中編「ガラパ星から来た男」(第45巻収録)となっている。
『ドラえもん』本編連載のほか、1974年には、ドラえもんの妹「ドラミ」を主人公に据えたスピンオフ作品『ドラミちゃん』が連載され、のちに『ドラえもん』本編に統合された。
ドラえもん誕生50周年を記念して、2019年11月末には上述の6誌に掲載された6種類の第1話を単行本にとりまとめて0巻として発売、(『ドラえもん プラス』を除けば)1996年に発売されたてんとう虫コミックス第45巻以来の新刊となった。0巻の初版は10万部だったが、発売前に重版が2度かかり、発売後の重版も併せて、同年12月25日出来重版で累計40万部を超えた。
テレビアニメ
1973年に日本テレビ動画の製作で最初のテレビアニメ化がされ、約半年間日本テレビ系列で放送された。本作は対象年齢が低かったため、視聴率は現在と比較して決して高くはなかったものの、3クール目の放映続行が決まりかけたとき、制作会社が解散し、打ち切り終了となった。翌1974年春には原作の漫画連載も最終回として「さようならドラえもん」が描かれたが作者藤本の愛着もあり、翌月「帰ってきたドラえもん」が描かれ原作の方は継続され、後の二度目のテレビアニメ化につながることとなる。
1979年にテレビ朝日系で再びテレビアニメ化された。この間に原作の単行本が1974年夏から発売開始されて大ヒットしており、前回の製作時よりも漫画が人気作品となってからのアニメ化であった。2005年には、声優やシンエイ動画の制作スタッフなどを一新する大幅リニューアルが(映画版も含めて)行われ、現在も放送を続けている。
1979年の二度目のテレビアニメ化から現在に至るまで高い人気を保ち続け、長寿番組となっている。なおウィキペディアでは、1973年に放映されたシリーズを「第1作」、1979年から2005年3月まで放映されたシリーズを「第2作第1期」、2005年4月から放映されているシリーズを「第2作第2期」としている。
大長編ドラえもん
1980年からはアニメーション映画の原作として長編の執筆を開始し、これを『大長編ドラえもん』と称している。『ドラえもん』の長編作品であり、映画公開に先行して『月刊コロコロコミック』で連載された。通常執筆するのは1話完結型の短編作品だが、『大長編ドラえもん』は1つのエピソードを数回に分けて連載するストーリー漫画型の長編作品であり、単行本も『ドラえもん』からと独立した『大長編ドラえもん』シリーズとして発行している。映画にふさわしく日常生活ではないスケールの大きな舞台で、ドラえもん達が互いに協力して困難を乗り越え、成長する冒険物語が描かれる。このころは『大長編ドラえもん』を含めると8本の雑誌に同時連載していた。
1996年に藤子・F・不二雄が逝去した後も、藤子・F・不二雄プロの萩原伸一(むぎわらしんたろう)および岡田康則は、『大長編ドラえもん』シリーズの続巻を2004年まで執筆した。ただし藤子プロ執筆の巻は「まんが版▷映画シリーズ」として、藤子・F・不二雄本人が執筆した巻とは区別されている。
アニメ版の声優交代の第2期『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年公開)以降の映画は「大長編ドラえもん」としては漫画版が執筆されていない。ただし、『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』(2007年公開)以降は「映画ストーリー」として岡田康則(単行本では「藤子・F・不二雄プロ」名義)が漫画版を執筆している。単行本は既刊5巻。純粋な漫画版を執筆するのではなく、外伝漫画を執筆することもある(ドラえもんの派生作品#映画ストーリー超特別編を参照)。
ドラえもん文庫
2004年に、すべての作品を収蔵した「ドラえもん文庫」が開設された。作者の出身地で知られる富山県高岡市の高岡駅前再開発ビル「ウイング・ウイング」内の高岡市立中央図書館の「ドラえもんコーナー」と、富山大学横山研究室である。これはドラえもん研究で知られる富山大学の横山泰行教授が、収集した単行本計671冊を寄贈、図書館側も協力して実現した。
収集家の間でも入手困難とされる、てんとう虫コミックス初版初刷の単行本第1巻から第10巻を含む全45巻を所蔵している。
雑誌のフルカラーのコピーも所蔵している。書籍の内容は、当時連載していた小学館の学年誌などの雑誌に掲載されていた全作品を原寸大で複写し、フルカラー作品はすべてフルカラーで複写して、それを製本化して収めたものである。
全集
出版されている全集としては、2009年より刊行された「藤子・F・不二雄大全集」の『ドラえもん』(全20巻)および『大長編ドラえもん』(全6巻)が挙げられる。
このうち『ドラえもん』は、1 - 17巻が「学年繰り上がり方式」で収録されており、1962年生まれが7歳になり就学する1969年の小学1年生、1970年の小学2年生、といった順で収録されている。18 - 20巻では、幼年誌やその他の雑誌に掲載された作品を収録している。
また派生作品『ドラミちゃん』の雑誌掲載時の初出版も雑誌からの複写で20巻に収録されており、単行本に収録された版(みよちゃん→しずか、カバ田→ジャイアンといった登場人物の書き換えなど)と比較できるようになっている。
全集では、作者の藤子・F・不二雄による改訂はそのまま残し、第三者による改訂はできる限り元に戻すという編集方針がとられた(一部例外あり)。このため、従来の単行本はもちろん、初期の版とも一部のセリフなどが異なっているケースがある。
誕生の経緯
『ドラえもん』ができるまでの過程を描いた漫画『ドラえもん誕生』によると、藤子・F・不二雄は1969年11月、新連載の締め切りが間近に迫っても作品の構想がまるで浮かんでいなかった。そんな切迫した状況にもかかわらず、「アイデアが勝手に出てくる機械があれば」、「昔もこんなふうに締め切りギリギリになって大変だった」などと考えたり、ドラネコのノミをとったりして、時間を無駄にするだけだった。そしてついに締め切り日の朝が訪れ、困り果てた末に「なんにも、ぜーんぜんまとまってない!! わしゃ、破滅じゃー」と叫びながら階段を駆け下りたところ、たまたま置いてあった娘のポロンちゃん(おきあがりこぼし)につまずいたことで「ドラネコと起き上がりこぼし」からドラえもんのキャラクターが、さらに「便利な道具を持ったそのキャラが、ダメな男の子(自分)を助けに未来からやってくる」というアイデアが生まれ、ドラえもんが誕生したという。
上記のように連載直前までキャラクターが決まっていなかったため、連載開始前月に掲載された予告は、新作のタイトルも主人公の姿も描かれていないという、異例の体裁であった。藤子不二雄Ⓐによれば、藤子・F・不二雄はドラえもんのキャラクターを作る際に、ネコのデッサンを漫画化したものを多数描いていたという。
漫画評論家の米澤嘉博は、ドラえもんの発想の原型のひとつとして、何でも取り出す魔法のカバンを持ったネコのキャラクターが主人公であるアメリカの漫画『フィリックス・ザ・キャット』を上げている。
なお、元アシスタントスタッフのえびはら武司の『まいっちんぐマンガ道』によれば、「ある猫を飼う男が、自分の悪い未来を変えるために冒険する」というロバート・A・ハインラインの小説『夏への扉』がドラえもんの元になったという。えびはらによると、藤子・F・不二雄は「そんなこと書いても読者は喜ばない」として、上記『ドラえもん誕生』で描かれたようなエピソードを自ら創作したのだとしている。
海外展開
『ドラえもん』は漫画・アニメともに日本国外にも翻訳紹介され、特にアジア圏を中心に人気作品となっている。
日本国外の作品タイトルの表記は普通英語で「Doraemon」となるが、原作の「ドラえもん」というカタカナ・ひらがなの混ぜ書きを再現するために、アルファベットの大文字と小文字を併用して「DORAemon」などと表記されることもある。中国・台湾・マレーシアなどの中国語表記は、長らく「机器猫」(ロボットの猫という意味)、「小叮噹」(叮噹は銅鑼ドラの鳴る音の中国語の擬音語)などとなっていたが、1997年以降の正規出版物は原音に近い発音の「哆啦A夢」に統一されている(未だに「小叮噹」と書いてあるものはまず海賊版)。韓国語表記は「도라에몽」となる。南アジアでは英文表記では「Doraemon」だが、ヒンディー語表記は「डोरेमोन (doremon)」、ベンガル語表記は「ডোরেমন (doremon)」となる。スペインでは「Doraemon el gato cósmico」(宇宙ネコ・ドラえもん)、アメリカでは「Doraemon Gadget Cat from the Future」(未来から来た小道具使いの猫ドラえもん)と国によっては原作にはない独自の枕詞が付けられることがある。
漫画の出版
原作の漫画が出版された国および地域は、中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイ、ラオス、カンボジア、インドネシア、キプロス、イタリア、スペイン、フランス、ロシアである。各国のコミック雑誌(台湾青文社「HAPPY DRAGON 快樂龍」など)にも連載されている。また、海賊版は東南アジアで広く見られる。
アメリカ・カナダでは、2013年11月より電子書籍として配信されている(アメリカンコミック調に彩色を施し、登場人物に愛称を付けている)。
1970年代には既に香港・台湾で中国語の海賊版が出版されており、日本文化が当時解放されていなかった韓国でも海賊版が『トンチャモン』というタイトルで出版された。そのため韓国や中国などでは、過去に日本の本家『ドラえもん』の方がコピーと誤解されたこともあった。
ベトナムでは正規版の出版以前に海賊版が1000万部以上売り上げており、1994年に正規版を出版するにあたって、それまで原作者に本来受け取るべき印税(日本円で2000万円相当)を支払いたいと申し出たが、藤子・F・不二雄が「このお金を基にして現地の子供たちのために役立ててほしい」と希望したため、貧困家庭の就学希望児童を支援する「ベトナムの子供たちのためのドラえもん教育基金」が設立された。藤子・F・不二雄はそれに合わせてベトナムを訪問している。
多言語社会であるスペインでは、スペイン語(カスティーリャ語)やカタルーニャ語など5言語で出版された。
アニメーションの放映
アニメーションはこれまで、北米(アメリカ合衆国、カナダ)、中南米(ブラジル、コロンビア、チリ、アルゼンチン、エクアドル、ボリビア、ペルー、パラグアイ、ベネズエラ、パナマ、メキシコ、プエルトリコ、キューバ、ドミニカ共和国、ニカラグア、コスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドル)、ヨーロッパ(スペイン、イタリア、フランス、ポルトガル、ポーランド、ベラルーシ、ロシア、イギリス)、中東(サウジアラビア、カタール、UAE、オマーン、エルサレム、イスラエル、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、リビア、チュニジア)、東アジア(中国、香港、マカオ、台湾、韓国)、東南アジア(インドネシア、マレーシア、タイ王国、ベトナム、フィリピン、シンガポール、カンボジア)、南アジア(インド、バングラデシュ、ブータン、ネパール、パキスタン)、オセアニア(オーストラリア)でも放送された(2017年3月現在、オーストラリア、カナダ、ポーランド、イギリス、パキスタンでは放送されていない)。
木村純一プロデューサー(1998年当時)によると、東南アジアでのテレビアニメの放送は視聴率が70パーセントを超えることもあるという。東南アジア諸国では、ママがドラえもんの道具でやり込められると子供が大喜びするという特徴も見られる。
アメリカ合衆国では、1985年にCNNのテッド・ターナーが50話分の放映権契約を結んだものの長らく放映が実現しなかったが、2014年よりディズニーの子供向けチャンネルディズニーXDで放送が始まった。このアメリカ放送版は、単なる吹き替え版ではなく現地の文化や生活習慣に合わせて様々な変更を加えられたローカライズ版であり、舞台をアメリカの架空の街に移し登場人物名も英語名風にするなどアメリカの視聴者になじみやすいように設定に改変を加え、フィクション作品の中でも健康的な食生活を推進するという規則に従ってのび太が食べるおやつがフルーツになるなど、アメリカの子供番組の放映基準に合わせた細かな画像の加工や差し替えも行われている。日本では2014年7月から8月にかけて行われたイベント『テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION』にて日本語字幕版として初公開上映を経て、2016年2月1日からディズニー・チャンネルにて『Doraemon』のタイトルで日本語吹き替え版の放送を開始した。
スペインでは、上述の漫画版のように複数の言語で放送されて高い人気を得ている。2014年の9月から12月には94年の放映開始から20周年を記念して、視聴者参加型のアトラクション番組「Doraemon Land」がシリーズで放映された。
逸話
台湾の歌手周杰倫のアルバム『魔杰座』のシングルPV「時光機」や、マレーシアの歌手四葉草のシングル「伸出圓手」は、『ドラえもん』を題材にしている。
中国各地で2014年に開催された「ドラえもんの秘密道具展示会」は大盛況となり関連グッズも売れたが、産経新聞は9月末から10月始めにかけて複数の中国紙が「われわれの傷みをドラえもんでごまかされるな」などドラえもん批判を行ったとして、「掲載のタイミングが一致しておりいずれもメディアを管理する共産党宣伝部の指示を受けて執筆したものとみられる」「反日姿勢を強める共産党当局の逆鱗に触れたとみられる」と報じ、成都市共産党委員会機関紙でドラえもんが日本の文化大使や2020年東京五輪招致の際の招致スペシャルアンバサダー(特別大使)を務めた(2013年4月5日 - 9月7日)ことなどに触れて「ドラえもんは国家としての価値観を輸出し、日本の文化戦略で重要な役割を果たす」「ドラえもんが善良な人たちの目に映る日本を象徴しているとすれば、侵略の歴史を隠し、国際的な緊張状態を招く安倍晋三政権もまた日本の真の姿だ」などの批判がされたというが、中国でもドラえもんの人気は高く、この官製メディアのドラえもん利用批判に対しても一般市民の反応は「「ドラえもんVS共産党宣伝部」というのをアニメでみたい」など冷やかだとした。2015年5月、読売新聞によれば2012年の「ウルトラマン」シリーズ以来(同年には尖閣諸島国有化を巡って日中関係が悪化していた)、中国の一般映画館で上映される日本映画の新作としては3年ぶりに『STAND BY ME ドラえもん』が上映された。同年9月23日には中国淘宝網で『拜托了!小叮当』のタイトルで実写版が公開された。また2016年9月より日本航空が中国路線を中心にJALドラえもんJETを運航している。
一般に、『ドラえもん』はアジア圏・南米圏で高い人気を得る一方で、欧米諸国では人気が奮わない場合が多い。このような傾向に関して漫画評論家の米澤嘉博は、「単に生活や風習の違いだけでは解釈することのできない、メンタルな部分がそこにはある」と述べている。
受賞歴
第2回(1973年)日本漫画家協会賞優秀賞。
第27回(昭和57年度)小学館漫画賞児童部門受賞。
第23回(1994年)日本漫画家協会賞文部大臣賞。
第1回(1997年)手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。
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